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東京都のシルバーデーに思う

木枯らしが吹き始めた11月末に東京都美術館で開催中の「コートールド美術館展」に出かけた。
毎月第3水曜日は東京都のシルバーデーで都民でなくても無料で入場出来る。障害者作業所に行く次男坊と一緒にバスで出かけ大船駅で別れると上野駅には10時過ぎに到着できた。並ぶことを覚悟していたが今回は30分待ちである。65歳以上の年齢がわかるものを準備して列の後ろに並ぶように言われ荷物をコインロッカーにしまって数百人の後についた。

コートールド美術館と言われて何処の国かと思ったがイギリスで成功した繊維関係の商人がロンドンに創った美術館が改修する機会に東京都に来たらしい。「秘められた物語 マネ最晩年の傑作」と書かれたキャッチの通り印象派の作品が多い。
2、3人のグループが多いようだが個人の観客が圧倒的である。「きょういく(今日行く)」場所があることが高齢時代の年配者にとっても有難いことだ。
どこから湧いて来たのかと思うほどの人の群れに並んで進みながら考えた。私が50歳を越えた頃に日本の「高齢化」の速度が問題にされるようになった。65歳以上の人口が国の14%を越えると「高齢化社会」と呼ばれ17・5%までを「高齢社会」21%以上は「超高齢化社会」と世界的に表現される。

日本は高齢化のスピードが諸外国に比べて速いために「お手本」になるのだという。私は介護保険制度が誕生する前後に福祉用具を通じて介護の世界に入った。そのことが知的に障害のある人たちとの距離を縮めたと思う。
高齢化のスピードが高いことは人々の生き方に大きな影響を与えることと同義である。早い時期にリタイアして興味のあることを試して来た。美術館巡りもその一つだった。

セザンヌ、モネ、シスレー等ジャンル分けされたコートールド美術館展の作品群は60歳からの人生を思い出させた。

東京都のシルバーデーに思う

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